模型製作で最初の1本としてナイフを買うのであればこれをオススメします。
刃を挟んで固定するチャック部はプラ製ですが、刃のすべりを体感することも無く重量バランスも優れた製品です。
それとタミヤの宣材写真と商品説明が良くないのですが、この商品のグリップエンドには転がり防止用のタグがちゃんと付いています。
尚、これはオルファ社のOEM商品ですが何故かオルファ版の同型はとっくの昔に絶版なので入手不可能です。
現在オルファがラインナップしている中サイズ軸のアートナイフ(=タミヤが言うところのモデラーズナイフ)の商品群でチャック部がプラ製の物は10BSか10Bのみですが、
あれは軸のボコボコが握っていてとても不快なだけでなく、ボコボコのおかげで刃先の微細なコントロールがし難くいので個人的にはオススメしません。オルファはなぜあんなボコボコを付けたのか理解に苦しみます。
そしてオルファ社の上位製品アートナイフであるリミテッドAK(Ltd-09)。あれは中サイズ軸で軸全体が金属&チャック部も金属で高級感はあるのですが、繊細な用途向けの道具としては重過ぎて取り回しに疲れます。
他には太サイズ軸のアートナイフプロ(=タミヤが言うところのモデラーズナイフPRO)なら、オルファのアートナイフプロ(157B)=タミヤモデラーズナイフPRO(Item No:74098)が販売されています。
しかしあれらはチャック部が金属で刃の保持力の信頼度は上がるものの、刃も軸もサイズ感が大きいので手に馴染んで使いこなすのに時間が掛かるはずです。あまり細かい作業向きではないと感じます。
そしてこの『タミヤモデラーズナイフ(Item No:74040)』よりも一回り小さいナイフとしては、既に絶版のオルファのデザインナイフ102B(=現在でも販売中のタミヤデザインナイフ(Item No:74020))も優れたナイフの一つです。
しかしデザインナイフ刃は幅4mm・厚0.38mmしかありません。幅6mm・厚0.45mmあるアートナイフ刃(=タミヤモデラーズナイフ刃)と比較すると、
刃へのダメージが大きい模型製作ではどうしても交換頻度が高くなりがちで、いちいち作業を中断しての交換作業が面倒です。
刃を交換する代わりに砥石を使って刃を研ぐという猛者も居るようですが、デザインナイフ類の刃は三層になっているので切削辺のわずか数ミクロンの層のみを狙って手で平行を保って研ぐのはまず不可能です。隣の層も一緒に研いでしまうと何も切れない刃の状態になってしまいます。
自分で研いだ刃は、切る作業ではなく押し潰して切断したりこそげ落とす用途程度にしか使えません。切れ味が落ちたら素直に刃を交換するのが一番です。
(余談ですが商標権の問題でしょうか、オルファ社は数年前からデザインナイフと言う呼称を止めてデザイナーズナイフと呼んでいます。本当にややこしい)
以上を考えると、難しいことをあれこれ考えずに万人向けでバランスの優れたこの『タミヤモデラーズナイフ(Item No:74040)』を買えば間違いありません。オススメだと思います。
尚、アートナイフプロ(=タミヤが言うところのモデラーズナイフPRO)用の各種替刃もこれに取り付け可能ですので、例えば、評判の良いアートナイフプロ(=タミヤ・モデラーズナイフPRO)用の「曲線刃」を試してみたい人も替刃を買ってチャレンジできます。
こんなに優れた軸バランスの製品なのに、上にも書きましたが何故かオルファ本家版は既に絶版。オルファがタミヤへのOEM供給を止める前に入手しておいた方が無難です。